沖縄・琉球風水師
「和来龍(わらいりゅう)」
家族が調和する風水を取り入れた住宅
2023 / 11 / 08

琉球風水師 和来龍のおもしろ琉球風水


<家族が調和する風水を取り入れた住宅>
 先日、私が設計に関わったAさんから完成後のお招きがありご自宅を訪問しました。
 概観はスッキリしたコンクリート二階建て住宅です。二階部分の道路側外壁の一部には長方形の色付き琉球ガラスがバランスよく配置されて美しく、白い外壁に軽快で楽しい雰囲気をもたらしています。
 駐車スペースは変形敷地をうまく利用して斜めにとり、前面道路沿いの細長いスペースには花を植えて自宅に入るまでに来客の目を楽しませています。
 門柱には琉球ガラスの四角い表札が取り付けてありました。これは、デザイナーのズケランナオト氏が琉球ガラス表札として作成したもので、ガラスの色や柄、文字のフォントや色に至るまでオーダーメイドで作られています。
 門扉を開けて敷地に入ると真新しい琉球石灰岩の石畳スロープが玄関まで導いてくれます。Aさんによると床材は琉球石灰岩ではなく廃材を利用したエコリサイクルシステムで作られた擬似石ということでした。Aさんが環境に配慮して選択されたものです。それにしても本物とまったく見分けがつきません。
 玄関に至るまでのアプローチは視線の先に庭が広がり、植栽は来客の目を楽しませてくれます。庭木はこれから充実させていくとのことでしたが、数か月前の台風6号の暴風雨にも耐えた枝ぶりの良い樹齢10年ほどの椿の木(潮風に強く冬にも緑の葉が美しいことからお母様が好んで植えられたもの)が元気に迎えてくれました。
 Aさんが風水を取り入れるきっかけの一つが台風時に吹く暴風への対処でした。設計段階で暴風の通り道を調査し、隣家との位置関係や建物の配置やデザインなどに風水が用いられました。

 Aさんの住宅は二世帯住宅です。ご両親は現在離島にお住まいですが、将来この家で暮らされる予定です。
 ちょうどご両親が滞在しておられるということでお招きいただきました。ご両親には、設計時にもお会いしてご要望を伺っていましたので、住宅が完成してから実際に住んでみられた感想を聞くことができました。詳細は省きますが、思ったよりも居心地が良かったようでとても喜んでいらっしゃいました。
 二世帯住宅の間取りに関しては、Aさんとご両親の意見が合わず設計が停滞していたところ。離島の住宅の伝統的な間取りを参考にして、ご両親の生活動線に配慮しながら風水を取り入れた間取りに変えたことによって、Aさんとご両親の意見の一致が図られました。お母様から「和来さんに後押ししてもらって、感謝です」という言葉をいただきました。

 施主様のプライバシーを考慮して間取りや住宅の詳細は省きますが、屋上にソーラーパネルのための特別の土台があらかじめ作られているなど、Aさんが独自に工夫されたものも見せていただき、これからの家造りの参考になりました。

 この新築住宅を拝見して風水師として感動したことを書き残しておきます。
 Aさん家族は離島の実家敷地にあったチャーギ(イヌマキ)を家族全員(三世代)で掘り起こして皮をむき、磨いて床柱として据え付けていらっしゃいました。その柱の風格は、どっしりと地に足をつけ、天に向かって伸びていく勢いがあり、Aさんご家族の歴史と未来の繁栄を感じさせるものでした。
 また、伝統住宅である実家の建物とそれを取り囲む屋敷林を描いた絵をリビングに飾り、床の間には島の書家の生命力を感じさせる書が掛けられていました。和室のふすまを開放してリビングと一体となった空間でこれらを眺めていると、故郷の島や人々との思い出がこの住宅に宿っているようで、島の神様が末永くAさん家族を守ってくれるように感じました。

 Aさんご夫婦に初めてお会いしてお話を伺った時から「夫婦仲がよくて親孝行な人だな」と思っていました。この日、そのことをAさんに伝えると「僕より父のほうが親孝行です」という言葉が返ってきました。今年80歳になるお父様はとても穏やかでニコニコされていますが、チャーギを床柱にする工程ではお父様が一番活躍されたそうです。また、夫婦の会話を聞いているとお母様との息もぴったりです。「この父ありてここにこの子あり」。心のこもった住宅を建てられたAさんご家族の家づくりに関わらせていただいた事に感謝の思いでいっぱいです。

 Aさんからは「この家を建ててから家族が和気あいあいとなり、親戚との関係もとてもよくなりました。よいこともたくさん起きています。風水のお陰だと思います」と嬉しいお言葉をいただきました。
 Aさんがあまりにも風水をほめるので、本当はどうなのかAさんの奥様に聞いてみると「そんなにいいことばかり起こっているわけではないですが、窓からの風が通って住み心地はとてもよいです」という本音が聞けました。
 奥様は九州出身ですが台所に「ヒヌカン」を祀られています。設計時に風水を参考にしてその置き場所を決められました。このヒヌカンをじっと見つめていると「いつも丁寧に心を込めて祈られているよ」とヒヌカンが応えたように感じました。子どもたちも自分の部屋には満足しているようで友達が訪ねてくるのも多くなったようです。
 Aさんは私に少しリップサービスをしてくれたようですが、事実としてAさんの業務上の取り組みが認められて大きなプロジェクトへの参加要請がくるなど、思いもよらない良い事がいろいろ起こっていると話されていました。

 穏やかで飾らない、笑顔のある暮らしをされているAさんご家族の家を訪問して、私もとても幸福な気持ちになることができました。そして、お土産に奥様の九州の実家で作られたみかんと「幻の泡盛」といわれているAさんの実家のある島のお酒をいただきました。私にも島の神様やAさんご家族の御先祖様から恩恵を賜わったようで感謝の気持ちでいっぱいです。
 Aさんご家族の益々のご発展とご多幸をお祈りします。





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